About
Designer: Finn Juhl(フィン・ユール)
Manufacturer: Carl Brøllund(カール・ブローロップ) / House of Finn Juhl(ハウス・オブ・フィンユール)
Year: 1948
Material: Walnut, Oak, Teak, Rosewood, Veneer, Laminate, Linoleum
Size: W90 × D56 × H50 cm
Story
アイ・テーブルは1948年に誕生し、フィン・ユールの独自のデザイン哲学を色濃く反映する作品です。単独で存在感を示す家具であると同時に、彼の代表作である「46ソファ」との組み合わせを前提に構想されました。家具同士の調和を重視し、建築的な総合性を持って空間を構成するユールの姿勢が明確に表れています。
天板は「目」のような形状を持ち、彫刻的でありながら実用性を備えています。このフォルムは、視覚的な軽やかさを演出すると同時に、カップや書籍を置きやすく、動線を妨げないよう計算されています。テーブルを挟んでソファを向かい合わせに配置した際にも、足元のスペースが確保され、快適な空間を生み出します。
脚部は3本で構成され、先細りのフォルムが全体の印象を軽快にしています。さらに、脚をつなぐ貫には意図的に曲線が取り入れられ、視覚的な美しさと構造的な強度を両立させています。このように美と機能を結びつける設計は、ユールが「家具の彫刻家」と称された理由のひとつです。
オリジナルはカール・ブローロップ工房により少数のみ製作されました。その希少性が今日における特別な存在感を生み出しています。現在ではハウス・オブ・フィンユールによって正規復刻され、多様な天板仕上げと素材を選択できる仕様で展開されています。
アイ・テーブルは、フィン・ユールが追求した「用の芸術」を体現する作品です。美しいフォルムと日常的な使いやすさを融合させ、世代を超えて人々の暮らしに詩的な豊かさをもたらし続けています。