Fredericia、ボーエ・モーエンセンの「BM80 シェーカーテーブルコレクション」を復刻


機能美と誠実な構造を現代に伝える2025年の再登場

デンマークの家具メーカーFredericia(フレデリシア)は、デザイナーのボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)が1961年に発表した「BM80 シェーカーテーブルコレクション」を、2025年に復刻した。半世紀以上を経て再び登場したこのテーブルは、モーエンセンが生涯を通じて追求した「機能的で簡潔なデザイン」と「構造を正直に見せる美しさ」を、現代の生活に合わせて再解釈したものとなっている。

BM80は、アメリカのシェーカー教徒の家具に影響を受けてデザインされたシリーズで、余計な装飾を排し、素材と構造の魅力をそのまま生かしている。今回の復刻では、当時のスクエア型(BM5271・BM6288)に加え、新たにラウンド型のテーブルトップが追加された。素材にはFSC認証を取得したソリッドオーク材を採用し、ソープ仕上げ、オイル仕上げ、ライトオイル仕上げ、スモークドオーク仕上げの4種類の仕上げが選べる。どの仕様も木の質感を大切にしながら、現代のインテリアに自然に馴染む印象を持つ。

脚部には「オフセット接合」や「真鍮の露出ネジ」といった特徴的なディテールが施されている。これらはモーエンセンが大切にしていた「構造の誠実さ」を表す要素であり、構造を隠さず見せるという思想を体現している。真鍮とオークの組み合わせは時間の経過とともに風合いを深め、使い続けるほどに美しく育っていく。

Fredericiaは、1955年からモーエンセンと協働し、数々の名作を生み出してきたメーカーである。今回の復刻も、同社がモーエンセンの作品群を現代に継承するレガシーコレクション戦略の一環として位置づけられている。大量生産や短命な消費とは異なり、「長く使い続けられる家具」という理念を再び提示することで、デンマークデザインの本質を改めて強調している。

Fredericiaは近年、コペンハーゲン、ロンドン、ストックホルム、オスロに加え東京にもブランド拠点を設け、国際的な発信を強化している。BM80コレクションの復刻は、こうしたグローバルな展開の中で、同社がモーエンセンの思想とデンマーク家具の価値を次世代に伝えていく象徴的なプロジェクトといえる。


BM80 シェーカーテーブルとは

ボーエ・モーエンセンが1961年に設計したBM80は、アメリカのシェーカー家具に学んだ「簡素さ」と「誠実な構造美」を体現した作品です。余計な装飾を排し、素材の魅力と機能性を素直に引き出すデザインは、静かな存在感を放っています。真鍮ネジをあえて見せる構造や、精密に設計された脚部の接合部には、モーエンセンの誠実なものづくりの姿勢が表れています。今回の復刻を通して、彼のデザインが持つ普遍的な価値が改めて見直されています。

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