J. Skaaning & Søn | スコーニング・アンド・スン


Story

J. Skaaning & Sønは、デンマークモダンの黄金期において活動した小規模ながら高度な技術力を誇る家具工房です。その存在は、巨匠ヨハネス・アンダーセンとの独占的な協業によって特徴づけられています。特に高級収納家具の製作に特化し、バーキャビネットやサイドボードといったケースグッズを中心に展開しました。

 

この工房の特徴は、規模の大きなメーカーとは異なり、大量生産ではなく「ブティック型工房」として少量ながら極めて高品質な作品を生み出した点にあります。ブラジリアンローズウッドやチークといった高級材を駆使し、真鍮やガラスとの組み合わせによって華やかさと精緻さを両立させました。

 

J. Skaaning & Sønの家具は「Danish Furnituremakers’ Quality Control」のマークを付された例も多く、その品質の高さは国際的に認められていました。今日においても、特にSK661バーキャビネットなどはヨハネス・アンダーセンの代表作として、コレクターや研究者から高く評価されています。


About

Year:1960年代前半〜1970年代初頭
President:J. Skaaning
Designer:Johannes Andersen(ヨハネス・アンダーセン)
Place:Aarhus(オーフス)


History

1903:ヨハネス・アンダーセンがオーフスに生まれる
1922:アンダーセンが家具職人として資格を取得
1930:アンダーセンが自身の建築・家具設計事務所を設立
1950:デンマークモダンが世界的に注目を集める中、アンダーセンが各メーカーへのデザイン提供を開始
1955:アンダーセンがサイドボードやチェアのデザインで注目され始める
1959:Danish Furnituremakers’ Quality Control制度が設立される
1960:J. Skaaning & Sønが本格的に活動を開始
1960:工房名が「Skaaning & Søn」「J. Skaaning og Søn」と複数の表記で確認される
1961:ヨハネス・アンダーセンのデザインによる初期サイドボードが製造される
1962:工房が高級収納家具に特化する方針を明確にする
1963:ローズウッド材を用いたサイドボードが市場に登場
1964:SK661バーキャビネットがデザインされ、複雑な内部構造が話題となる
1965:SK661の円形象嵌がアンダーセン作品の象徴的モチーフとして認知される
1966:モデル31ハイサイドボードが製造される
1967:工房製品にDanish Controlマークが確認される
1968:モデルSKローサイドボードが展開される
1969:輸出市場、とりわけアメリカでの需要が増加する
1970:SK661バーキャビネットがコレクターズアイテムとして高評価を得る
1971:ローズウッド材の輸出規制が始まり、工房の生産体制に影響を与える
1972:高級材不足により生産縮小が進む
1973:工房の活動が縮小し、事実上の終焉を迎える
1991:ヨハネス・アンダーセンが死去し、そのキャリアが総括される
2000:ヴィンテージ市場でアンダーセン作品が再評価され、J. Skaaning & Søn製品の価値も上昇
2020:SK661を中心に国際オークションで高額落札が続き、工房の名が再び注目される


Furniture

・SK661 Bar Cabinet | バーキャビネット
・Model 31 High Sideboard | ハイサイドボード
・Model SK Low Sideboard | ローサイドボード
・Sideboard with circular inlay | サイドボード
・Highboard with recessed handles | ハイボード

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