AT17A Nesting Table | ネスティングテーブル


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1950
Material: Teak, Oak, Palisander
Size: W52 × D34 × H48 cm


Story

AT17A ネスティングテーブルは、ハンス・J・ウェグナーとアンドレアス・ツック社の協働から生まれた代表的な小型家具です。ウェグナーが手掛けた数多くの椅子とは異なり、この作品は生活空間に柔軟性を与えるテーブルシリーズとして設計されました。

3つのサイズのテーブルが重なり合う構造は、省スペースでありながら多様な使い方を可能にします。必要に応じて一つだけを取り出してサイドテーブルとして用いたり、すべてを展開してリビングの中心に据えたりできる点が特徴です。この可変性は、1950年代に高まっていた都市生活の効率性への要求に応えるものでした。

AT17Aの造形は、シンプルで直線的な天板と、均整の取れた木製の脚部によって構成されています。過度な装飾を排しながらも、全体のバランスによって軽快さと安定感が両立されており、控えめでありながら上質な存在感を放ちます。

アンドレアス・ツック社は、伝統的な木工と機械的な加工を融合させた製造体制を持ち、ウェグナーのアイデアを高い品質で具現化しました。AT17Aは、その実用性だけでなく、工房の技術力とデザイナーの理念が結実した象徴的なプロダクトでもあります。

現在このモデルは復刻されておらず、アンドレアス・ツック製のヴィンテージ品のみが市場に流通しています。そのため、AT17Aはオリジナルならではの価値と独自の存在感を保ち続け、デンマーク・モダンデザインを物語る重要な作品のひとつとなっています。

PAGE TOP