Story
One collectionは、デンマーク・モダンデザインの伝統と現代性を結びつける工房です。1990年にイヴァン・ハンセンとハンス・ヘンリク・ソーレンセンによって設立され、当初はオフィス家具を中心に事業を展開していました。その後、デンマーク近代デザインの巨匠フィン・ユールの作品復刻を契機に、ブランドとしての大きな転換を遂げました。
1998年にはフィン・ユールの椅子の復刻を開始し、2001年には未亡人ハンネ・ヴィルヘルム・ハンセンからすべての作品の製造・再販売権を託されました。この出来事は、Onecollectionを単なるメーカーから、文化遺産を受け継ぐ「継承者」へと押し上げました。フィン・ユールの作品群は、彫刻的でありながら人間工学的な配慮に満ち、製造には高度な職人技を要します。Onecollectionはこれを忠実に再現し、歴史の空白を埋める活動を続けています。
2017年には「House of Finn Juhl」を独立ブランドとして確立し、50以上のオリジナル作品を復刻・展開しています。さらに現代のデザイナーであるカスパル・サルト、フリース&モルトケ、ヨナス・リンドビー・イェンセンらとの協業によって、伝統と革新を併せ持つコレクションを発表しています。
生産体制においても、デンマーク国内のリングケービンとヴェイエンに拠点を持ち、2022年にはSchou Andersen Møbelfabrikを買収して木工技術を強化しました。また、日本・山形の工房とも長期的な協業関係を築き、特にチーフテンチェアのような高度なフレーム製作を任せています。デンマークと日本の職人技の融合は、品質を最優先する同社の理念を体現するものです。
Onecollectionは2022年にB Corp認証を取得し、倫理的かつ持続可能な家具生産を公式に掲げました。その活動は、デンマーク家具の伝統を守ると同時に、次世代へと継承していく重要な役割を果たしています。
About
Year:1990-
President:Ivan Hansen、Hans Henrik Sørensen
Designer:Finn Juhl(フィン・ユール)、Kasper Salto(カスパル・サルト)、Jonas Lyndby Jensen(ヨナス・リンドビー・イェンセン)、Friis & Moltke(フリース&モルトケ)、Henrik Tengler(ヘンリク・テングラー)
Place:リングケービン、ヴェイエン
History
1990:イヴァン・ハンセンとハンス・ヘンリク・ソーレンセンが「Hansen & Sørensen」として設立
1998:フィン・ユールの椅子復刻を開始
2001:フィン・ユール全作品の復刻製造・販売権を獲得
2007:社名をOnecollectionに変更
2010:フィン・ユール作品の国際的な展開を加速
2013:現代デザイナーとの協業を強化
2017:「House of Finn Juhl」を独立ブランド化
2018:Åkande Seriesを発表し評価を獲得
2020:デンマーク国内での生産体制を拡充
2022:Schou Andersen Møbelfabrikを買収、国内木工技術を強化
2022:B Corp認証を取得
2022:ヨナス・リンドビー・イェンセンのÅkande Seriesが「Furniture of the Year」を受賞
2023:世界的な流通ネットワークを拡大
Furniture
・Chieftain Chair
・Pelican Chair
・Poet Sofa
・Egyptian Chair
・Reading Chair
・France Chair
・Japan Chair
・Baker Sofa
・Glove Cabinet
・KS1 Chair
・Bone Collection
・Åkande Collection
・Time Chair
・Chairman Chair
Imprint/Label
・初期作品は「Hansen & Sørensen」の紙ラベルを使用
・Onecollectionへの改称後は「Onecollection」のロゴ入りラベルを採用
・「House of Finn Juhl」ブランドでは専用ロゴと金属プレートを使用
・近年はB Corp認証マークを併記し、持続可能性を強調