Schou Andersen | スコウ・アンデルセン


Story

スコウ・アンデルセン・メーベルファブリックは、1919年にデンマークのヴェーエンで創業された家具工房であり、1世紀以上にわたりデンマーク家具史に欠かせない役割を果たしてきました。創業者ペダー・スコウが築いた伝統は、二代目ヴィリー・スコウによって大きく発展し、デンマーク・モダンの黄金期において主要な製造メーカーの一つとして高く評価されました。

 

この工房の特徴は、伝統的な木工技術を背景に、時代の要請に応じて革新を取り入れた点にあります。フィンガージョイントやダブルホゾ継ぎといった高度な継ぎ手技術を駆使し、金物を極力排した強靭な構造を実現しました。その結果、同社の家具は数十年を経ても堅牢さを失わず、ヴィンテージ市場で高い人気を誇っています。

 

特にカイ・クリスチャンセンとの協業は、スコウ・アンデルセンの名声を決定づける重要な要素でした。NV31チェアやNo.42チェアといった作品は、彼の流麗なデザインと工房の緻密な製造技術が融合した傑作であり、今日でも北欧家具の象徴的存在として評価されています。

 

2022年にはワンコレクション社による買収が行われ、スコウ・アンデルセンの工場と職人技は「ハウス・オブ・フィン・ユール」ブランドの製造拠点として継承されています。独立ブランドとしての活動は終焉を迎えましたが、そのクラフトマンシップは現代のデンマーク家具に不可欠な基盤として生き続けています。


About

Year:1919–2022
President:Peder Skov、Villy Skov、後継一族
Designer:Kai Kristiansen(カイ・クリスチャンセン)
Place:ヴェーエン


History

1919:ペダー・スコウがヴェーエンに家具工房を設立
1930:地域の顧客向けにオーダーメイド家具を製作
1945:第二次世界大戦後、工房を拡張し国内市場へ展開
1950:息子ヴィリー・スコウが事業を継承、工場設備を近代化
1956:カイ・クリスチャンセンとの協業を開始、NV31チェアを発表
1960:ダイニング家具の量産を本格化、国内主要メーカーの地位を確立
1963:No.42チェアを発表、輸出市場にも進出
1970:ソファやテーブルなど製品ラインを拡充
1975:ブナ材・チーク材を中心に高級家具を多数製造
1980:国内外で「主要な製造メーカー」として評価を確立
1985:プレーベン・スコウ・アンデルセンが新たなデザインを発表
1990:デンマーク国外でもヴィンテージ家具市場で評価が高まる
1995:持続可能な生産への取り組みを開始、水性接着剤の導入
2000:再生布や環境対応素材の試験導入
2010:ヴィンテージ市場で再注目され、専門店で人気が高まる
2015:家具修復や再仕上げによって再流通する市場が拡大
2019:創業100周年を迎える
2020:新型コロナ禍で生産縮小も、職人技術は維持
2022:ワンコレクション社が買収、ブランドとしては終焉を迎える
2023:ヴェーエン工場が「ハウス・オブ・フィン・ユール」の製造拠点として稼働


Furniture

・NV31 Dining Chair
・No.42 Dining Chair
・Model 333 Sofa
・Dining Table (extension type)
・Mahogany Dining Table
・Armchair series attributed to Preben Skov Andersen
・Dining Chairs attributed to Vilhelm Skov Andersen
・Various Coffee Tables
・Lounge Chairs with bentwood backrest

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