JH550(PP550)Peacock Chair | ピーコックチェア

About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Johannes Hansen(ヨハネス・ハンセン)PP Møbler(PPモブラー)
Year:1947
Material:Oak / Ash / Teak(オーク材 / アッシュ材 / チーク材) + Paper Cord(ペーパーコード)
Size:W760 × D760 × H1050 / SH420 mm


Story

ピーコックチェアは、1947年にハンス・J・ウェグナーがデザインしたラウンジチェアで、そのフォルムはまるで孔雀が優雅に羽を広げた瞬間を切り取ったかのようです。名前の由来は、背もたれの放射状のスポークがつくる軽やかなシルエットにあり、発表当初から人々の目を引きました。
 

デザインの基礎には、英国伝統のウィンザーチェアの構造が活かされています。背もたれのスポークは中央部分がわずかに平らに削られており、見た目のリズムだけでなく、座る人の肩甲骨や背中が自然に沿うよう設計されています。この一手間によって、装飾性と快適性が見事に両立されているのです。
 

座面はペーパーコードによる手張り。張力を均等にかけながら編み上げることで、体圧を分散し、長時間座っても疲れにくい弾力が生まれます。ペーパーコードは経年で色味が深まり、オークやアッシュといった無垢材のフレームと共に、美しい経年変化を楽しめます。
 

当初はヨハネス・ハンセン工房が製造を担当し、その精緻な木工技術によって背もたれの細いスポークと大きくカーブしたアームが一体感を持って仕上げられました。生産中止の時期を経た後、PPモブラーが復刻し、現在も高い品質基準で生産が続けられています。
 

ピーコックチェアは、単なる座る道具ではなく、空間を彩る彫刻的存在として評価されています。美術館やギャラリーにも収蔵されるその姿は、ウェグナーが生涯追い求めた「機能美と詩情の融合」を端的に示しており、今もなお世界中のデザイン愛好家を魅了し続けています。
 

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