AT19 Table | AT19 テーブル


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1950s
Material: Teak, Oak, Palisander
Size: W142 × D71 × H30 cm


Story

AT19テーブルは、ハンス・J・ウェグナーがアンドレアス・ツック社のためにデザインした希少なモデルです。ヴィンテージカタログにその存在が確認されるものの、流通記録や学術的資料がほとんど残されておらず、デンマーク・モダンデザインの中でも特異な位置を占めています。

デザインは低く細長いプロポーションを持ち、天板下にはスラット状の棚を備えています。この棚は、軽やかな印象を与えると同時に実用的な収納として機能し、ウェグナーが好んで用いたデザイン言語の一つです。

素材にはチーク、オーク、パリサンダーといった当時最高級とされた木材が採用されており、それぞれが異なる表情を生み出します。経年変化により深みを増した色合いと木目は、ヴィンテージ家具としての魅力をさらに高めています。

アンドレアス・ツック社は1950年代から60年代にかけてウェグナーと数多くのテーブルを生み出しましたが、AT19はその中でも特に記録が乏しく、生産数が極めて限られていた可能性が高い作品です。この謎めいた性質こそが、本作をコレクターにとって「幻の一脚」として際立たせています。

AT19は、単なるテーブルを超えて、ウェグナーの「オーガニック・ファンクショナリティ」という哲学を象徴する存在です。機能性と美しさが融合したこの作品は、デンマーク・モダニズムの歴史の中で、ひそやかに語り継がれるべき遺産といえます。

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