About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1950
Material: Teak, Oak
Size: W62 × D62 × H48 cm
Story
AT36 トレイテーブルは、ハンス・J・ウェグナーがアンドレアス・ツックのためにデザインした機能性と美しさを兼ね備えた作品です。円形のトレイと折りたたみ可能な脚部という2つの要素が組み合わされ、日常生活における利便性と、家具としての造形美が見事に調和しています。
取り外し可能なトレイは、飲食物や小物を運ぶ実用的な役割を果たしつつ、木材の質感と美しい木目を活かした工芸的な魅力を備えています。折りたたみ式の脚部は省スペース性を実現し、使用しないときには容易に収納できる点が特徴です。
このテーブルのデザインは、ウェグナーの「オーガニック・ファンクショナリズム」の哲学を体現しています。つまり、木材の持つ有機的な表情と、機能主義的な合理性を融合させることで、見る者に温かみを伝えながらも、用途に即した家具を生み出しています。
素材には主にチークやオークが使用されており、時代を経るごとに深みを増す経年変化も楽しむことができます。異なる素材を組み合わせることで、視覚的なコントラストと工芸的な巧みさを示しています。
ウェグナーとアンドレアス・ツックの協業は、椅子に限らずテーブル分野においても多くの成果を残しました。その中でもAT36は、機能性と携帯性に焦点を当てた特異なモデルであり、家具デザイン史においても重要な位置を占めています。

