About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1950
Material: Teak, Oak, Brass
Size: W128–238 × D86 × H72 cm
Story
AT304ドロップリーフテーブルは、デンマーク・モダンを象徴する家具デザイナー、ハンス・J・ウェグナーがアンドレアス・ツックのために設計した傑作です。その特徴的な「セイバーレッグ(剣のような脚)」と呼ばれる構造は、強度と美しさを兼ね備え、同時に優雅な彫刻的存在感を放っています。
両端には折りたたみ可能なドロップリーフが備えられており、必要に応じてテーブルの長さを容易に変えることができます。この機能性は、省スペースを求められる都市生活にも対応しつつ、来客時には広々としたダイニングテーブルへと変化させることを可能にしました。
素材にはチークとオークが用いられ、脚部を補強する真鍮のバーが構造的な安定性を与えるとともに、装飾的なアクセントにもなっています。ウェグナーは、見えない部分にまで誠実な造り込みを施すことで、機能を隠すのではなく称賛するというデザイン哲学を体現しました。
このテーブルは1950年代に登場し、1950年代から60年代にかけて継続的に製作されました。複数の資料によりデザイン年は1950年あるいは1955年とされていますが、いずれにせよ当時のウェグナーの革新性を示す作品であることに変わりはありません。
その後、ウェグナーのテーブルコレクションの一部はPPモブラーへと受け継がれましたが、AT304はオリジナルのアンドレアス・ツック製作品として特別な地位を保ち続けています。彫刻的な脚部と自在な拡張機能を備えたこのテーブルは、今日に至るまで世界中のコレクターや愛好家から高い評価を得ています。

