About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1962
Material: Oak, Beech, Teak, Walnut
Size: W180 × D90 × H72 cm(AT327) / W190 × D95 × H72 cm(CH327)
Story
AT327ダイニングテーブルは、ハンス・J・ウェグナーが1962年にデザインし、アンドレアス・ツック社によって製造された名作です。のちにカール・ハンセン&サンが「CH327」として継承し、現在も製造が続けられています。
このテーブルの大きな特徴は「浮遊する天板」のような軽快な造形です。無垢材の厚みを抑えた天板を面取りし、フレームとの間に空間を設けることで、無垢材特有の重さを感じさせない軽やかな印象を生み出しています。
また、内部構造にはウェグナーの革新的なエンジニアリングが込められています。短手方向に3本の貫を設け、その反りを長手方向の貫で抑えるという二重構造により、無垢材の反りを防ぎながら強度と美しさを両立させました。これは「構造美」として高く評価されるウェグナーの哲学を象徴しています。
さらに、脚が天板の端から27cm内側に配置されているため、着席時に膝や椅子のアームが干渉せず、快適に使用できます。ダイニングだけでなく、ワークデスクや会議テーブルとしても機能する汎用性を備えており、まさに人間中心設計の結晶です。
素材はオークやビーチを中心に、チークやウォールナットを組み合わせたバリエーションも存在します。仕上げにはソープ仕上げやオイル仕上げが施され、木材本来の美しさを最大限に引き出しています。
ヴィンテージのAT327には、アンドレアス・ツックの刻印や「Danish Furniture Control」のラベルが残されており、真正性を示す重要な証として機能しています。現行のCH327と比較すると、寸法や細部に違いはあるものの、ウェグナーの思想を忠実に継承している点に変わりはありません。
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