About
Designer: Ole Wanscher(オーレ・ヴァンシャー)
Manufacturer: France & Daverkosen(France & Son)
Year: 1950
Material: Teak, Rosewood
Size: W182 × D72 × H80 × SH44 cm
Story
FD166/3 Senator Sofaは、オーレ・ヴァンシャーが1950年代にデザインし、France & Daverkosenおよびその後継のFrance & Sonによって製造された三人掛けソファです。ヴァンシャーは師であるカアレ・クリントから受け継いだ厳格な機能主義に、古典主義の美学を融合させ、細身で均整のとれたフォルムを追求しました。本モデルはその代表的成果の一つです。
ソファの直線的で明快なフレームは、構造的な安定性とともに、軽快で上品な印象を与えます。アームから脚へと続く流れるようなラインは、ヴァンシャーの特徴的なデザインであり、建築的な理性と美学的感覚が調和しています。
France & Sonが導入したノックダウン構造によって、このソファは分解・組み立てが可能となり、輸出効率を高めました。これにより、デンマーク・モダンの家具が世界中に広まる基盤が築かれ、Senator Sofaはその象徴的存在となりました。
クッションはルーズクッション方式を採用し、スプリングを内蔵することで快適性を実現しています。フレームの堅牢さとクッションの柔軟性が調和し、使用感に優れたシーティングを提供しました。張地や仕上げは多様なバリエーションが展開され、チーク材に加えてローズウッド仕上げも存在します。
FD166シリーズは、アームチェアや2人掛けソファを含むラインナップで構成されており、いずれも均整のとれたプロポーションと普遍的な美しさを備えています。その中でも三人掛けのFD166/3は、家庭や公共空間に広く採用され、デンマーク・モダンの理念「万人のためのデザイン」を体現する作品となりました。