AT14 Coffee Table | コーヒーテーブル


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year:
Material: Teak, Rosewood, Wenge, Steel
Size: W160/140/120 × D55 × H38 cm、Φ110 × H38 cm


Story

AT14コーヒーテーブルは、ハンス・J・ウェグナーとアンドレアス・ツックの緊密な協働から生まれた作品です。ウェグナーが追求した「オーガニック・ファンクショナリズム」の思想が、木材とスチールという異素材の組み合わせを通じて具現化されています。

天板にはチークやローズウッド(パリサンダー)、ウェンゲといった銘木が用いられ、天然素材ならではの温かみを感じさせます。一方で脚部には円筒形のスチールが採用され、工業的でシャープな印象を添えています。この対照的な素材の融合は、彫刻的でありながら機能的というウェグナーの哲学を明確に映し出しています。

AT14には長方形と円形/楕円形のバリエーションが存在し、それぞれ異なる表情を見せます。長方形のモデルは天板の繊細なスリットが特徴で、木工技術の精緻さを伝えます。円形や楕円形のモデルでは、木目が際立ち、素材そのものの美しさを存分に堪能できます。

このテーブルが特筆すべき点は、ツック工房の優れた職人技によって実現された精度の高さです。スチール脚の細さと天板の力強さのバランスは極めて繊細でありながら、構造的には堅牢で長期使用にも耐える設計となっています。

AT14は「AT」シリーズの中でも特異な位置を占め、籐やオールウッドの構成とは異なる実験的な素材使いが際立っています。その存在は、ウェグナーが生涯を通じて続けたフォルムと素材探求の一部であり、デンマーク・モダニズムの精神を体現する一作として、今日も高い評価を受けています。

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