AT318 Table | テーブル


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1960s
Material: Rosewood, Teak, Palisander, Steel
Size: W180 × D95 × H71 cm


Story

AT318テーブルは、ハンス・J・ウェグナーがアンドレアス・ツックのためにデザインした、1960年代のデンマーク・モダニズムを象徴する作品です。温かみのある木材の天板と、工業的なクロムメッキスチールの脚部を組み合わせることで、ウェグナーは伝統的な職人技とモダンな生産技術の融合を追求しました。そのデザインは控えめでありながら彫刻的で、空間に軽やかな印象を与えます。

このテーブルの最大の特徴は、拡張機構にあります。天板下に収納された延長板を引き出すことで、容易にサイズを変えることができ、ダイニングテーブルとしてもワークデスクとしても柔軟に利用できる設計です。シンプルな外観の裏に隠されたこの機能性は、ウェグナーが常に重視した「形式と機能の調和」を示しています。

AT318は、従来の木材だけを用いた作品とは異なり、木と金属という異素材を組み合わせた点で特筆されます。これはウェグナーが新しい素材と工法に挑戦した証であり、工業的要素を取り入れながらも人間的な温もりを失わないデザイン哲学を体現しています。

また、このテーブルは希少性が高く、限られた期間にのみ製作されたため、今日のヴィンテージ市場ではコレクターズアイテムとして高く評価されています。特にローズウッド仕様のものは贅沢な外観と希少性から、特別な価値を持つ作品とされています。

AT318は、単なる家具に留まらず、ウェグナーが「職人」としての自負と「モダニスト」としての探求心を両立させた、重要な遺産のひとつとして位置づけられるでしょう。

 

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