AT334 Dining Table | ダイニングテーブル


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1950
Material: Teak or Oak (Top) / Teak, Oak or Beech (Legs)
Size: 幅 90 × 奥行き 90 × 高さ 72 cm(長さ 90 / 130 / 140 / 150 cm のバリエーション)


Story

AT334 ダイニングテーブルは、1950年代にハンス・J・ウェグナーがデザインし、アンドレアス・ツック社によって製造されたモデルです。ウェグナーの多彩なテーブルコレクションの中でも、シンプルで明快な構造を持ちながら、サイズや素材のバリエーションが豊富に用意された実用性の高い作品です。

天板にはチークまたはオークが使用され、木目の美しさと堅牢さを兼ね備えています。脚部にはチーク、オーク、あるいはブナが選択され、異なる素材の組み合わせによって雰囲気が変わる点も魅力です。シンプルな円柱形の脚は直線的でありながら柔らかさを感じさせ、ダイニング空間に自然に調和します。

このモデルの特徴は、長さ 90cm から 150cm まで複数のバリエーションが存在する点にあります。日常的な用途に適したコンパクトサイズから、家族や来客に対応する大きめサイズまで幅広く対応でき、住まいの規模やライフスタイルに合わせた選択が可能でした。拡張機構やドロップリーフなどを備えた他のウェグナーデザインのテーブルと異なり、AT334 はシンプルな固定天板仕様で、安定感と堅実さを追求した設計となっています。

ウェグナーは「椅子の巨匠」として知られる一方で、テーブルのデザインにも一貫した哲学を持っていました。AT334 は、彼のオーガニック・ファンクショナリズムの思想をシンプルな形で表現し、過度な装飾を排して素材と構造そのものの美しさを前面に押し出しています。その姿勢は、家具を永く使うための普遍的な価値を追求する彼のデザイン観をよく示しています。

今日、AT334 は派手さはないものの、静かで安定感のある存在感を放つウェグナー作品として再評価されています。素材の誠実な扱いと堅実な構造美が生み出す普遍性は、モダニズム家具の真髄を体現するものといえるでしょう。

 

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