AT8 Coffee Table | コーヒーテーブル


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1950
Material: Teak, Oak, Beech
Size: W78 × D78 × H50 cm / W88 × D88 × H53 cm / W98 × D98 × H55 cm


Story

AT8 丸型コーヒーテーブルは、ハンス・J・ウェグナーとアンドレアス・ツック社の協働によって誕生したデンマーク・モダンデザインの代表的な作品です。ウェグナーの哲学である「オーガニック・ファンクショナリズム」を体現し、機能性と彫刻的な美しさが融合したテーブルとして知られています。

最大の特徴は、三本脚の構造にあります。三点支持は物理的にガタつきがなく、安定性を保証すると同時に、軽快で動的なフォルムを生み出します。実用性と美しさを両立させたこの選択は、ウェグナーの職人的思考とデザイン哲学を象徴しています。

また、天板と脚部に異なる木材を組み合わせるバリエーションが存在し、チーク材の天板にブナ材の脚、あるいはオーク材の脚といった多様な仕様が確認されています。これにより、テーブル全体にコントラストが生まれ、素材の特性を最大限に引き出すデザインとなっています。

製造を担ったアンドレアス・ツック社は、サレスコ(Salesco)という輸出ネットワークの一員として、ウェグナーのテーブル制作に特化した工房でした。同社の精緻な木工技術とウェグナーの革新的なデザインが結実したAT8は、両者の理想的なパートナーシップの象徴といえます。

現在では生産されていないヴィンテージ作品であり、個体ごとに異なる仕様や経年変化を楽しめる点がコレクターから高く評価されています。その普遍的な造形は現代の空間にも調和し、デザイン史における重要な位置を占め続けています。

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