FD147/3 Settee | セッティ


About

Designer: Peter Hvidt & Orla Mølgaard-Nielsen(ピーター・ヴィット & オルラ・モルガード=ニールセン)
Manufacturer: France & Daverkosen(France & Son)
Year: 1960
Material: Teak, Rattan, Fabric
Size: W 180 × D 75 × H 78 × SH 42 cm


Story

FD147/3 Setteeは、デンマークの建築家デュオ、ピーター・ヴィットとオルラ・モルガード=ニールセンによって設計された3人掛けソファです。背もたれには籐(ラタン)を用い、チーク材のフレームと組み合わせることで、軽やかで開放的な印象を与える作品となっています。

本モデルは、1950年代後半から1960年代にかけての工業化時代に誕生しました。当時、デンマーク家具メーカーのFrance & Daverkosen(後のFrance & Son)は、輸出市場を見据えてノックダウン構造を取り入れ、大量生産と効率的な国際輸送を可能にしていました。FD147/3もその一環として設計され、輸送コストを抑えつつ高い耐久性を備えた構造を実現しています。

背もたれの籐は、温暖な地域に適した通気性を確保し、布張りモデルであるFD148と対をなす存在でした。同一のフレーム構造を基盤とし、仕上げの違いによって市場や用途に応じた多様なバリエーションを展開できる点に、このデュオの設計哲学と工業デザイン的な合理性が表れています。

チーク材のフレームは高い寸法安定性を誇り、分解と組み立てを繰り返しても強度を保つことが可能でした。これは、伝統的な職人技と精密な工業技術の融合があって初めて実現したものです。さらに、籐編み部分は手仕事による仕上げが不可欠であり、機械加工されたフレームと伝統工芸が調和する好例といえます。

FD147/3は、デンマーク家具輸出の黄金期を支えた象徴的なモデルであり、視覚的な軽快さと実用的な強度を両立させた稀有な存在です。そのデザインは、現代においても持続可能性や天然素材への関心と共鳴し、時代を超えて評価されています。

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