About
Designer: Peter Hvidt & Orla Mølgaard-Nielsen(ピーター・ヴィット & オーラ・モルガード=ニールセン)
Manufacturer: France & Daverkosen(France & Son)
Year: 1953
Material: Teak, Oak, Fabric upholstery
Size: W68 × D72 × H87–106 cm
Story
FD148 L ラウンジチェアは、Peter HvidtとOrla Mølgaard-Nielsenによって1953年頃にデザインされ、France & Daverkosenから発表されました。彼らのデザイン哲学である「工業化と輸送効率の追求」は、このラウンジチェアにおいても明確に体現されています。
フレームにはチーク材やオーク材が用いられ、視覚的な軽快さと堅牢性を兼ね備えています。アームレストには薄板成形(Bent Lamination)の技術が応用され、優美な曲線と高い強度が両立されました。特にラウンジチェアは背もたれに大きな荷重がかかるため、この積層曲げ技術が不可欠でした。
布張り背もたれ仕様は、籐(ラタン)を用いたモデルに比べてさらに快適性を追求したバージョンです。クッション材と高品質な張地が施され、身体全体を支える柔らかな座り心地を実現しました。ハイバックモデルでは頭部まで支える高さが確保され、深いリラックスを提供しました。
製造元のFrance & Daverkosenは、国際輸出に特化した工房として設立され、1957年以降はFrance & Sonへと改称されました。やがてPoul CadoviusのCADOに継承されても、FD148は継続して生産され、世界各国に輸出されました。この過程で「FD」スタンプは品質を保証する象徴的な刻印として使用され続けました。
FD148は、量産と国際流通を前提とした設計と、職人技術を工業的合理性へと昇華させた象徴的な作品です。現在でもヴィンテージ市場において高く評価され、デンマークモダンの名作として位置づけられています。