FD167 High-back Chair | ハイバックチェア


About

Designer: Ole Wanscher(オーレ・ヴァンシャー)
Manufacturer: France & Daverkosen(France & Son)
Year: 1950s
Material: Teak, Upholstery, Rattan (variation)
Size: W 69 × D 73 × H 97 × SH 43 cm


Story

FD167ハイバックチェアは、オーレ・ヴァンシャーが1950年代に設計し、France & Daverkosen(後のFrance & Søn)によって製造された代表的なラウンジチェアです。直線的で厳格なプロポーションと高背の背もたれを特徴とし、クラシカルな優雅さとモダンな工業生産技術の融合を示す作品です。

背もたれが肩や背中を超えて頭部まで支える設計は、長時間の着座における快適性を追求したものであり、当時のラウンジチェアとしては極めて機能的な構造でした。座面にはインナースプリングが組み込まれ、クッション性と耐久性を兼ね備えた先進的な仕様となっています。

素材にはチーク材が多く用いられ、木工接合部は高精度で堅牢に作られました。France & Sønが得意としたノックダウン構造と輸出指向の生産体制により、堅牢性と輸送効率が両立され、国際市場でも高く評価されました。

デザインの背景には、ヴァンシャーの古典主義的な志向が色濃く反映されています。18世紀英国や中国古典家具、シェーカー様式など歴史的様式からの影響を取り込みながら、戦後の「デザイン・フォー・エブリワン」の潮流に応える製品として位置づけられました。

その後、France & SønがCADOに吸収された後も生産は続きましたが、特に1950年代後半から1960年代初期のFrance & Søn期の製品は、高度な品質管理により「非常に堅固」と評され、今日まで良好な状態で現存しているものが多く見られます。

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