FD452 Sofa | ソファ


About

Designer: Peter Hvidt & Orla Mølgaard-Nielsen(ピーター・ヴィト & オルラ・モルガード=ニールセン)
Manufacturer: France & Daverkosen(France & Son)
Year: 1957
Material: Teak, Rattan, Upholstery
Size: W200 × D70 × H78 × SH45 cm


Story

FD452 Sofaは、Hvidt & Mølgaardによってデザインされ、1957年にFrance & Daverkosen(後のFrance & Son)で製造された代表的な作品です。本モデルは「Minerva(ミネルヴァ)」シリーズの一部として位置づけられ、ソファとデイベッドを兼ね備える多機能な家具として発表されました。

その設計思想は、軽量化と輸出効率を目的とした分解可能な構造にありました。座面や背もたれを容易に取り外せる構造は、輸送コストを抑えつつ、使用環境に応じて機能を拡張できる柔軟性を備えています。特に背もたれクッションを取り外すことで、座面の奥行きを広げ、デイベッドとして活用できる点は、当時の住環境における実用性を体現しています。

構造面では、ソリッドチーク材の堅牢なフレームと、籐(ラタン)による背面やアームの軽やかな表現が融合しています。これにより、視覚的な軽快さと素材の温かみが両立し、モダンな居住空間に適したデザインとなりました。籐はシートケーンを用いた量産工程に適合しており、手仕事の美しさと工業的生産の効率を兼ね備えていました。

また、脚部は円筒形にテーパーを施し、視覚的に浮遊感を与えています。フレームと金属部品の接合部は隠されず、むしろ構造的合理性を強調する意匠として組み込まれ、機能主義の理念が視覚化されています。

France & Daverkosenが輸出市場を牽引していた時代、FD452 Sofaは同社の代表的な輸出モデルとして重要な役割を果たしました。デザインの美しさと産業合理性を兼ね備えたこのソファは、デンマーク家具が世界市場でブランド価値を確立する過程において、象徴的な存在となりました。

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