FD504 Coffee Table | コーヒーテーブル


About

Designer: Tove & Edvard Kindt-Larsen(トーヴェ&エドヴァルド・キント・ラーセン)
Manufacturer: France & Daverkosen(France & Son)
Year: 1958
Material: Teak
Size: W150 × D50 × H46.5 cm / W120 × D49.5 × H45.5 cm


Story

FD504 コーヒーテーブルは、1958年にデザインされたミッドセンチュリーデンマークの代表的な作品であり、エドヴァルド・キント・ラーセンとトーヴェ・キント・ラーセン夫妻の協働によって生み出されました。夫妻のデザインは、師であるコーア・クリントの厳格な機能主義を基礎にしながらも、柔らかな曲線や有機的なフォルムを取り入れることで「ソフト・モダニズム」を実現しました。このテーブルはまさにその理念を体現し、機能性と温かみを両立させています。

天板の最大の特徴は両端に立ち上がりを持つ彫刻的なエッジであり、視覚的なアクセントであると同時に、物が滑り落ちるのを防ぐ実用的な役割も果たしています。天板には当時の量産家具としては珍しく、ソリッドチーク材が使用されており、高度な職人技術によって削り出されたディテールは、France & Søn が誇る工業技術とクラフトマンシップの融合を示しています。

さらに、スリムに絞られた脚部と、それを支える弓形のアンダーフレームは、構造的な安定性を確保すると同時に、全体のフォルムに軽快さと流動的な美しさをもたらしています。この曲線的な補強構造は、機能性を兼ね備えた装飾的要素としてデザインに統合されており、夫妻の設計思想の真髄を表しています。

素材にはチーク材が用いられ、その黄金色の木肌は時を経て深みのある経年変化を見せます。仕上げにはオイルが施され、木目を際立たせつつ耐久性を高めています。1950年代後半、アメリカを中心にデンマーク家具が国際市場に広がるなかで、FD504は高級感と親しみやすさを兼ね備えたデザインとして輸出戦略の中核を担いました。

製造を担ったFrance & Søn(旧France & Daverkosen)は、工業的効率性と職人技の両立を目指した企業であり、チーク材家具の量産技術を確立することで国際的成功を収めました。FD504はその技術力と設計哲学の結晶として、現在もヴィンテージ市場で高く評価されています。

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